鷹の目の競馬考察 

重賞の考察と回顧をメインに考えを綴ります。購入馬券に関してのノートはhttps://note.com/0012

秋華賞が終わりました。#後日回顧

秋華賞牝馬クラシック最後の一冠に決着が着きました。

 

勝者はアカイトリノムスメ。

 

アパパネの制覇した秋華賞を母娘2代制覇。

ゴールの瞬間の実況

「最後の一冠は譲れない!」は偉大な三冠の母から受け継いだ血を証明するのにふさわしい一文でしたね。

 

さて、アカイトリノムスメの優勝は大変喜ばしいことですが鷹の目の予想とはかなり違う結果になりました。

まずは予想の振り返りとレース中何が起きたのか考えてみます。

 

レース前、予想印と着順

◎ソダシ         10着

○ファインルージュ     2着

▲ステラリア        6着

△アンドヴァラナウト    3着

⭐︎エイシンヒテン      4着

★アナザーリリック     7着同着

 

まずはこのレースのキーマン。断然の1番人気を背負ったソダシ。と、それを演出した馬の話をします。

 

まずスタート前、一頭だけにわかにざわつく白い馬体。

ソダシは血統的にゲート難なところがありますが、秋華賞のゲートの中で下に潜ろうとしてしまっていたそうです。

この時にぶつけた歯が折れていた、というのは厩舎、須貝調教師からも発表されてましたね。

ここでゲートが空いて揃ったスタート、、、

とはならず出遅れは2頭

わずかに出遅れたのは件のソダシ。大きく出遅れたのはホウオウイクセル。座り込むような体制になりながらもなんとか立て直して他馬の後ろから一気に内ラチまで。

f:id:Mr-HawkEye:20211018115146p:image

 

ホウオウイクセルが内に一直線に行ったように。当日の馬場は内が良かったです。

外差しになったのは結果的にこのレースだけになりました。

 

この後は予想でも書いた通りエイシンヒテンがハナをとりソダシが追走の形。

そこから後ろの先行勢はf:id:Mr-HawkEye:20211018115534p:image

 

10 アールドヴィーヴル

1 スルーセブンシーズ

9アンドヴァラナウト

12 アカイトリノムスメ

 

これは向正面入り口付近。

最初は9アンドヴァラナウトがソダシの後ろを取っていたのですが、先ほども言ったようにこの日は内の日。みんな内を走りたい。

アールドヴィーヴルはスタート決まって行き足もついたんですよね。この時点で前に行く予定だったのではないでしょうか?

アンドヴァラナウトはソダシの後ろの絶好位を手放すことになります。

 

それから予想にも書いていたステラリアはどうした。となりますが。スタート後行き足がつかず外から雪崩れ込んでくる他馬の後ろ…後方からの競馬になってしまいました。

しかも1コーナーではスライリーが内に寄せてきて頭を上げる不利を受け、ここでステラリアは消えてしまいました。

 

さて随分と縦長の隊列になりました。ここを見てた時は

 

お!前が楽な展開になった。

 

などと思っていたんですよね。エイシンヒテンは単騎ハナ、2番手のソダシも並びかけてくる馬がいないとなればマイペースの走りになると思いましたから。

 

そして3コーナー手前。丁度1000m地点での通過タイムは61.2。隊列は向正面と変わらずのまま。

このタイム。昨年の大阪杯、雨で重馬場、レイパパレが逃げ切ったレースの1000M通過タイムは59.8。

馬場もメンバーレベルも枠も展開も違うレースが比較になるのか?と言われればなりませんが参考程度にタイムがかかる大阪杯の方が秋華賞より早いと言えばスローだと言えるのではないでしょうか。

 

ではなぜ隊列が変わらなかったか。

結論、捲る馬がいなかった。そりゃそうだろと。

正確には捲る候補、捲り担当の馬が内枠を引いてしまったことが要因です。

今回はクールキャットとスライリーのことですね。

 

こうなると後半は俄然早いラップが刻まれます。

昨年の大阪杯と比べてみましょう。

 

21年 重 大阪杯

1200m   1400m   1600m

 12.8      12.2        12.1

 

21年 秋華賞

1200m    1400m  1600m

   12.0        11.5         11.3

 

古馬G1の大阪杯より早いんです。

しかも良馬場とは言うものの前日夜からの雨でカラカラの硬い馬場ではなく緩めのタフな馬場。前半のスローからの極端なスイッチ。

 

何が起きたかと言うとまずペースを作ったのはエイシンヒテン。レース前のコメントで大逃げも視野と言っていたように前半で溜めた脚を一気にロングスパートで使いにきた。

松若騎手もエイシンヒテンとは初めましてではありません。どんな馬か、どんなペースでどれくらい走れるか分かっていることでしょう。

事実、エイシンヒテンは口向きの悪い癖があります。

前走もラチ沿いの逃げから直線を向いたところ外ラチに口が向く癖が出ていました。

その癖を把握している松若騎手はこの後の直線でそれを制するように追っています。

そんなコンビが最終4着。ペース読みを誤ったのか?というと一概には言えません。

 

まずエイシンヒテンがやや行きたがってしまったこと。さらにこの異常なハイペースの裏には当日の天候が関係していました。

この日、阪神は北から6mちょっとの強風。

3〜4コーナーの600mはこの風が丁度追い風になります。加えて阪神内回りはコース設計がやや特殊で3〜4コーナーの間は緩い右周り。

スピードが緩まなかったのも納得です。

 

もちろんここでロングスパートを掛けたのは思惑があるのでしょう。その思惑までは当人に聞いてみなければわかりませんが一つ言えることは勝ちに行った。

確かに他馬がソダシを警戒してマークすればするほど自分は楽になるわけですからここで突き放すのは勝ち筋になるのではないでしょうか?

私見として攻めた騎乗、見ていて気持ちの良い騎乗でした。

 

さてここで被害を受けた馬。ソダシです。

辛いですよ、前半からマークされスローと思ったところにハイペースのロングスパート。

エイシンヒテンは自分で作ったペースだからまだいい。ソダシは違う。

しかも後半にはピッタリ馬群。どこまで追い風の援護(ここではあえて援護と言います)を開けることができたのか。

追い風で想定外に加速するエイシンヒテン。

追いつけ追い越せの直線出前で追い風の助けを受けきれないソダシ。

加えてタフな馬場。

ここで消耗した。とみるのが一番納得がいくのではないでしょうか?

 

これを問題なく追走してしっかり伸びるなんて

そんな3歳牝馬いるんでしょうか?

 

さて4コーナーを曲がっていくわけですがここで困った人たちがいます。

そう。ソダシの後ろを好位と考え追走していたジョッキーです。

 

ソダシの後ろにつけば直線伸びるソダシをマークして交わせばいい。そう考えてレースを組み立てていたはずです。

しかしソダシ。明らかに手応えが悪い。このままでは進路が開かない。

いち早く気づいたのはアンドヴァラナウト、福永騎手。

この時、ソダシの真後ろから外側に出そうとしていたのはアールドヴィーヴル。その後ろにいたのがアンドヴァラナウト。

 

福永騎手のポジションを見ればわかると思います。ソダシの内を取るか外を取るか。

究極の2択。

外を取ればアールドヴィーヴルの後ろ。

しかし予想でも書いた通りアールドヴィーヴルは反応が鈍い馬。直線に入ったからスッと前に行ってくれるとは限らない。

結果エイシンヒテンとソダシの間。広くないその進路を縫うよう。しかし確実に良い脚でかけていきました。

 

そうこう内側が渋滞している間に外をスーッと回ったのがアカイトリノムスメ。

ラッキーですよね。内が良い馬場で外を回されているのにもかかわらず、内が勝手に渋滞しているハイペースで削れたエイシンヒテンとソダシ。それらが壁になってなかなか前に出せないアンドヴァラナウト。キレの弱いアールドヴィーヴル。

まとめて撫で切る脚とセンスは結果を見れば明らかでしょう。

2着ファインルージュはアカイトリノムスメが動いてくれたことで進路が開きました。

ファインルージュにとってもラッキーだったのは間違いありません。

外外で競馬をしたことで最後は少し力尽きていますがこの馬場で内容を見るとアカイトリノムスメより評価してあげたいところです。

 

結果的にアカイトリノムスメとファインルージュの差は道中のポジションだったのではないかそして3着アンドヴァラナウト。福永騎手のリードがあったとは言え器用な競馬をしたと思います。

少しテンションが高かったため掛かった場面もありましたがあの直線から縫うように走っての3着は粘り強さ気持ちの強さが垣間見えました。

 

4着エイシンヒテンは楽な逃げと想定外のペースながらよく残した。着実に良くなってます。

ただ、単騎で脚を貯めれたこと、口向きの悪さと言う悪癖。手放しには喜べない部分もあるかと思います。ソダシがもう少し伸びていたらアンドヴァラナウトは進路を失って3着もあったかもしれない。内容的にはそんなところですが良くやってくれました。

 

贔屓な部分もありますが今回ソダシ以下の印をつけた馬はそれなりに良い内容で走ってくれました。今後の活躍にも注目したいところですね。

 

アカイトリノムスメに関しては正直見誤っていました。調教後の馬体重、当日の馬体重だけを見て、オークスから増えてないじゃん。3歳ならもう少し成長してほしいよね。

と考え切ってしまった。実際パドックを見返すと馬体重の変動の割に身体ができてきている。

数字だけで捉えた弊害でした。やはり競馬はナマモノなんだと再認識しました。

 

ファインルージュは期待に応えてくれましたね。正直、このレースの鍵は前だと思っていたので。まぁ別の意味で前だったわけですが。

道中の映像を見ても細かい部分がわかりませんでした。ルメール騎手がどれくらいプラスに働いたのかはわかりませんが直線では馬の力を出し切ってくれていたので次走以降も要チェックしたいところです。

 

難しいのソダシ。本当に馬券的にも買いどころが難しい馬ですね。

先天的な血統からくる気性の波に加え。

距離、展開。ギリギリのところで勝ってきたんだなと再認識しました。

2000mという距離に関しては行ける時は行けるがダメな時はダメ。と言う感覚。

フラットなコースで楽な競馬なら行けるが

起伏のあるコースで長いスパートやタフな馬場はキツい。

今後ソダシ絡みのレースはその日その時にならないと判断が難しそうです。

来年以降はマイルですかね?マイルなら安定しそうです。

 

個人的にはソダシというアイドルを良いとも悪いとも思っていません。

 

しかし競馬に興味のない人が、綺麗な馬がいるといって興味を持ってくれること。世界初の白毛のG1馬であること。

そして毛の色なんて関係なく

一生懸命走る一頭の競走馬だということ。

 

鷹の目は今後も全ての競走馬が無事にレースを終えること願いながら競馬という文化と触れ合って行きたいと思います。

 

 

なんていいつつ今回は予想の段階から反省すべき点が多かったですね。

馬場、天候、当日の馬の状態。

馬の特徴まで捉えてて読み違える部分もありました。アールドヴィーヴルが先行してもキレの関係で内の混雑を生むなんてのも1つそれですよね。

 

次回菊花賞ではその辺を踏まえてより良い予想にしていきます。

 

大変長くなりました。ここまで読んでくださった方に最大の感謝を伝え今回はここまでとします。

それでは皆さん菊花賞も楽しんでいきましょう!